アラスカ3日目。5日間の旅ですので、今日が最終日となります。午前中お土産など買いながら、午後からはスノーシューでアラスカの山を歩くツアーに参加しました。
ネイチャーイメージさんという日本人夫婦カメラマンお二人でやられているガイドツアーです。午後1時に迎えにきてもらい、車で40分ほど北上するとそこは電気も水道もない山奥です。水道は車で少しのところに井戸があるそうで、それを定期的に汲んで使用します。電気は必要な時はエンジンを回すそうです。トイレも手作り、家も手作り、暖は薪ストーブです。写真家の牧栄さんは私と同じ年でしたので話もはずみ、さっそくスノーハイクへ。アラスカの山の中は熊のマーキング、ヘラジカの足跡、リスやウサギの痕跡などが見られ、誰も足を踏み入れていない雪の中で寝転がると、白樺に夕日があたりアラスカの空の青とまざって、やさしい表情を見せてくれます。
いったんホテルに戻ってから、同じ牧栄さんのツアーで最後のオーロラを見に行きます。ツアーには8人が参加、少人数で明かりの無い山の中ですので、期待がふくらみます。11時ごろ到着するとすでにオーロラが浮かんでいます。そのうち、犬ぞり用の犬の遠吠えを合図に、一本の光の筋がうかび、絹糸を紡ぎあうようにだんだん太くなっていきます。そのなめらかな動きを絹に例えましたが、次の瞬間ほどけるように形を変えて広がります。その動きをきっかけに、空のあちこちにあったオーロラの絹糸が集まっては、ほどけていき、満天の星空を覆うように広がっていきます。その広がりは渦を呼び、波を作り、頭上一面で躍り続けます。その写真がこちらです。
ただただ、すごいすごいとしか言えません。言葉を失う光景とはこのことでしょう。この日は新月なので月明かりはまったく無いはずなのですが、足元の雪が明るく見えるほどのオーロラでした。20分くらいの動きのあと、オーロラはだんだんと薄くなりどこにその姿を隠したのか、うっすらとしたベールを残して消えてしまいました。その後は雲が出てきて、残念ながら次のオーロラ爆発は見ることができませんでした。ホテルに戻ると4時近く、帰りの飛行機に乗るために5時にはホテルを出て、無事に帰国しました。私たちはLUCKYだったのでしょう。オーロラに出会える人も出会えない人もいるそうです。それは人の運ではなくて、心の鏡のような気もしました。心に念じる希望の強さ、欲ではなく心で待つ期待、そんな想いがオーロラと人を出会わせるのではないかと感じました。